【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!

7 仮花嫁には秘策があります

「ふふふふふふふふ……」

 一夜目の儀式を終えてシザーリオ公爵家に帰りついたキャロルは、息苦しいドレスとコルセットを脱ぎ捨てて、一心不乱に書き物をしていた。
 蝋燭をいくつも灯し、頭からは黒いレース布をかぶって、気分は黒魔術師だ。

「ふふふふふふふふ、完璧ですわ! この計画があれば、レオン様とわたくしの結婚は回避できます!!」
「うるさい! いま何時だと思ってるーー!!!」

 扉をドガンと開けて入ってきたのは、水玉のパジャマを着て三角帽子をかぶった兄セバスティアンだった。

「おはようございます、セバスお兄様。すてきな朝ですわね」
「カーテンを閉め切って、蝋燭を山と灯した部屋で、なにがすてきな朝だ! 光と酸素が足りん!!」

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