【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!

8 王太子にも秘策はあります

「!? どこでそれを……」
「ああ、クレープが来たようだよ。好きなだけ食べるといい」
「レオン様はよろしいのですか?」
「朝食は城でとってきたからね。俺は、キャロルが食べているところを見るのが好きなんだ。冷めないうちに召し上がれ」
「はい。いただきます……」

 レオンは、木目のうつくしいボードにのせられた五つのクレープを、キャロルの方へと押し出した。そわそわするキャロルだったが、プレーンクレープを口に入れた途端に気持ちがほぐれた。

 焼き目はぱりっと、生地はふんわりしていて、溶けたバターと回しかけたメープルシロップがほんのり甘い。

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