お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
【観察対象:小鳥遊 碧】②
「お嬢、アイスでも食べます?」
「食べたい!」
「じゃあ行きましょう」
ファミレスを出て、向かったのはアイスクリーム屋さん。
碧はわたしの手をとると、足早で歩いた。
そんなに早くアイスを食べたいんだろうか。
ファミレスからアイスクリーム屋さんまではそんなに距離はなく。
5分もたたずに到着。
店内に入り、わたしはチョコミントアイス、碧はバニラアイスを注文。
わたしはチョコミントとが大好きだ。
だから、アイスクリーム屋さんでは絶対にチョコミントアイスを注文している……んだけど!
今日はほかのアイスにすればよかったと後悔。
このデートで少しでも碧をドキドキさせたいから、「あーん」をして食べさせたかった。
でも……残念ながら、彼はチョコミントが嫌い。
チョコミントが嫌いな人に食べさせようとするなんて、ただの嫌がらせ。
ファミレスでやっておけばよかったな……。
さっきは、口元についたクリームを碧に食べられて、ドキドキしすぎてそんな余裕はなかったけど。
もっともっと、積極的に行動するべきだった。
そんな後悔をしても遅く、注文していたアイスを受け取って外へと出た。