双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
『家族の時間』
栃木から東京までは車で一時間半。そんなに長い時間、星斗と星七がおとなしく乗ってくれるか不安だった。けれど優星君がふたりの好きそうなアニメのDVDを流してくれたから、ふたりは夢中でとてもおりこうさんだった。

 首都高速道路を下りて一般道路を進んでいくと、見えてきたのは都内でも有数の高級住宅街。
 付近には大型商業施設や広い公園、学校などもあり家族に人気のエリアとなっている。
 将来、できることなら憧れの場所に住むことができたらとは願っていたけれど……。

「着いたよ」

 優星君が車を停めたのは、大きな一軒家の駐車場だった。
 車の中から見えたのは二階建てと思われるレンガ調の可愛い外観。庭には芝生が敷かれていて、なにやらブランコや滑り台も見える。

「降りようか」

「あ、うん」

 優星君に続いて私も降りて、ふたりで双子をチャイルドシートから降ろす。

「ママ、ここはどこ?」

 愛らしく首を傾げて聞いてきた星七。

「ここはね、新しいおうちだよ」

「あたらしいおうち?」

「そう」

 私は星七と、優星君は星斗とそれぞれ手を繋いで玄関へと向かう。
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