官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました

貴裕side


 目覚めたら、カーテンの隙間から白っぽい日差しが差し込んでいた。

 寝覚めのぼんやりとした頭を起こし、カーテンのかかった窓、見慣れぬ天井、昨夜腕時計を置いたサイドテーブルと視線を送る。左半身に自分のものではない温もりを感じ、ようやく覚醒した。
よかった、全部夢じゃなかった。

 俺の腕の中で、美海が穏やかな寝息を立てている。どうしても手に入れたくて、でも大事にしたくて、ゆっくりと距離を縮めていったのに。いざふたりきりになると、離したくなくなった。

 正直に打ち明けたら、美海も同じ気持ちだと言ってくれた。

 そして、この腕の中に落ちて来た。

 眠っていたのは、ほんの二時間ほど。真っ暗だった部屋の中がうっすらと白む頃、美海は気を失うように眠りに落ちた。無理をさせてしまうほど、この愛しい人をぎりぎりまで離せなかった。

 時計の針は、もうここを出なければいけない時間を指していた。世間は休みでも、俺は今日も出社の予定だ。後ろ髪を引かれながら、美海を起こさないようにそっとベッドを抜け出した。

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