13番目の恋人
第1話

小百合

 異性に対して、私は寛大だと思う。
 だいたいの男性をそういう対象で見ることが出来る。……つまり、許容範囲が広い。

 貞操観念も低い。

 ……つまり、チャンスがあれば……そうなってもいいと、常に思っている。


 かつて付き合った事のある男性は、私の事を可愛いといってくれるのが嬉しくて、恋人になった人たちだ。だけど、どの人も短命で続かない。今は恋人もいない。


私はいつも、受け入れ体制ばっちりなのに、異性には敬遠されてしまう。
 目も合わない。合った目はすぐに逸らされる。遠巻きに見ては、たぶん、陰でこそこそ何か噂をされている。
 きっと、いい噂じゃない。


 薄々気付いていたそのことは年々はっきりと浮き彫りになり、ついに確信に変わる。

 私には……異性を遠ざけるような、難があるのだ。

 かといって、同性に好かれるかといえばそうでもなく、友人と呼べる人はとても少ない。休日は、いつも家族と、というより、家で過ごしていた。
 
 家族に、私ってどこかおかしい?なんて聞いてみても、誰もどこもおかしくないと言った。家族仲はとても良く、家の居心地はよかった。
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