君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「もう六時なので、そろそろ起きて朝ごはんの支度をしないと。昨日何もしないで寝ちゃったので……」
サラダの準備をしておこうと冷蔵庫の中を覗いていたところで、昨晩も公宏さんに捕まった。
背後から抱きしめて「明日でいいだろ」なんて寝室に連れていかれてしまったものだから、今日はその分早めに起きなくちゃだめなのだ。
「まだ離したくない」
でも、公宏さんの腕は緩まない。
一見クールで、病院では坦々と真面目に患者さんに向き合うお医者様の顔を持っているのに、私の前ではきっと外では見せない顔を見せてくれている。
こんな風に独占欲を出してわがままを言ったりするなんて、初めて会った頃なら想像もしない姿だ。
「私は朝なんでもいいですけど、今起きないとちゃんとご飯出せなくなっちゃいますよ?」
「じゃあ今日は無しでいい。だから、もう少し」
そこまで言われたらもう折れるしかなくて、「わかりました」と素直に従う。
回された腕に手を添えると、指先を絡められた。