君がくれた花言葉
予想通りの結果
翌日。昨日言った通りに僕は学校へ向かった。玄関を出るまでずっと母さんが心配して声をかけてくれたが僕は大丈夫。の一言だけ言って家を出た。
本当は学校なんか行きたくなかったし当然そんな気分ではなかったため足が思うように進まなかったが行くしかない。ほんとにあの色紙と本はクラスのみんながお金を出し合い買ったのか、それとも担任が1人でしたのか。

そんなことを考えていると学校の前まで着いてしまった。よし、頑張ろう。そう自分に言い聞かせて教室へと向かった。

教室の前まで来ると、相変わらずガヤガヤして騒がしかった。
「あれ?下村くん学校来れるようになったんだ〜。」

同じクラスの田崎硝子が話しかけてきた。
この人は僕に暴力を奮ったり悪口を言ったりしない。悪い人では無かった。

「あ、うん。つい昨日退院して。」

「そうなんだ!退院おめでとう!って言っても今までのクラスの雰囲気じゃ学校来たくないよね…。」

「ううん。そんなことないよ。大丈夫。心配ありがとう。」

「何かあったら言ってね?少しでも力になりたいの。」

「ありがとう。助かるよ。」

そう言い残して僕は教室に入った。

ガラガラ…シーン……
想定内の反応だ。まぁ無理もないだろう。今まで入院してた奴が何の前触れもなく急に学校に来たんだから。

「あっれ〜?下村くんもう体調は大丈夫なのかーい?」

いじめの主犯である野村正一が僕に話しかけてきた。

「あ、うん。おかげさまで。」

「お前なんか一生来なくていいのに、な?なぁみんな?」

ザワザワ……

「それなー?てか、もう明日からも来なくていいから?」

「てか、何で入院?どうせ自殺でもしようとして失敗したんでしょ?元から失敗作なんだから何しても無駄だっての!」

「めんどいから今ここで死ねばー?お前なんかいても空気悪くなるだけ。」

教室中から僕を罵る声が聞こえる。あぁ。ダメだ。このままじゃ。

「…あのっ!」

「…あぁ?なんだよ。」

「えっと…あの…貰った色紙と本はなんだったんでしょう。」

「あぁ、あれ?何?嬉しかった?残念だったね。全部担任の村上が仕組んだことだよ!」

やっぱりか。だと思った。

「…そっか…。」

それだけ言い残して僕は走って家に帰った。
家に帰ると母さんがとても心配して病院に連れていこうとしたが、久しぶりの学校だったから疲れただけと言って部屋にこもった。
今思えば家を出て2時間も経ってないからこんな短時間で疲れて帰ったなんて信じてくれないだろうと思う。
< 10 / 16 >

この作品をシェア

pagetop