君がくれた花言葉
突然の入院
目を覚ますと僕は病室にいた。

「……!!あなた!内豊が…!目を覚ましたわ!」

「ほんとか…!先生、先生を呼んでくる!」

「えぇ、お願い!…内豊聞こえる?お母さんよ?分かる?」

「お母さん離れてください。急に話しかけると混乱させてしまいます。」

「すいません…。」

「まぁ仕方のないことですよ。あまり気になさらずに。内豊くん?聞こえる?」

誰だ?白衣を着ている。医者か?
「……は、い。聞こえ、ます。」

「良かった。どこか痛いところはあるかな?」

「いや、特に。」

「うん、良かった!呼吸も安定してきて少しずつ回復していますよ下村さん。」

「良かったです。ありがとうございます先生。」

「いえ、僕は何も。そうですね一応念のために少し入院させた方がいいと思うんですけども、少しこれからのことを話したいので、一旦お2人は別室に来ていただけますか。」

「はい。分かりました。じゃあ内豊行ってくるから、何かあったらすぐ言うのよ?」

「うん。」

「では。行きましょうか。」

あの医者は別室を用意していたもののお母さんが心配だからといって部屋を出てすぐのところで話し始めた。おかげで僕には丸聞こえだ。
身体的な理由での入院でもあったらしいが、僕が自殺未遂をしたことから学校の友達や地域の人にそれが知られないようにするためらしい。
友達なんかいないがあんなことするヤツらがいる学校に行かなくていいなら僕には嬉しい話だったから、お母さんが僕に入院を勧めて来た時すぐに了承した。
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