私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。

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 もうキズつきたくない。
だから諦めてきた、心のカギを何度も何度もかけ直し、いったいいくつカギをかけたか分からない。

 恋はもうしたくない、心のキズはそれだけではないけれど。


 周りから彼氏は結婚はと聞かれると『仕事が彼氏』なんて強がってみせてきた。

 一生一人なんて私には無理だとそんなこと分かっている、そんなに強くない。


 それでも『恋』なんて言葉はとうに消えて無くなった。


 花を見れば笑顔にもなれる時もあれば、せつなく泣きそうになる時もある。



『君の眩しい笑顔に惹かれた、好きだ』



「……」



◇◇◇

「いらっしゃいませ」

『花束を一つ、2000円でピンク形でお願いします』

「プレゼントとですか?」

『友人の誕生日なのー』

「お好きな花はありますか?」

『花はおまかせで』

「かしこまりました!」

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