捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
点滴を終えるとさっきまでより力が湧いてきた。

気持ちの悪さも少し落ち着いた。

先生の言う通り診断書をもらい休職することにした。

職場の師長に電話で相談したところ、
「妊娠してるんじゃ、と思ってたの。でもあなた結婚してないし私から言うべきか悩んでたのよ。そろそろ身体も辛そうだから言おうと思ってたのよ。結婚するの?」

「いえ。結婚はしないつもりです。でも私が1人で育てていこうと思ってます。」

「覚悟はできてるのね?」

「はい。皆さんにはたくさんご迷惑をお掛けしますが産みたいんです。」

「分かったわ。じゃ、まずは赤ちゃんがお母さんに休んで欲しいって思ってるからひとまず1ヶ月お休みにしましょう。途中良くなったら休みを切り上げたらいいし、もっと必要なら伸ばしましょう。中山さんは本当によく働いてくれてるもの。大切な人材だからいつでも戻ってきていいのよ。」

「師長…ありがとうございます。」
泣きながら話す私に、
「泣かないの!ママになるんでしょ!応援するわよ。困った時はいつでもいいなさいよ。」

「ありがとうございます。」

私は涙が止まらず、泣きながら電話を切った。
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