「……解釈の一致すぎる」


 そんな言葉が私の口から洩れてしまった、と気づいたのは、彼がこちらを振り返ったから、だ。
ハッとして口元を手で隠したときにはもう遅く、彼――浅岡蒼太朗くんはゆっくり私を振り返ると、眼鏡の向こうの目を見開いた。


――しまった。


 そんな声が聞こえてきそうな表情で、固まっていた。
 カッターシャツの裾は、優等生らしくちゃんと制服のズボンに入っていたけれど、こんな時間に制服姿でうろついているなんて。

午後11時の近所のコンビニ。
スイーツが置かれている冷蔵の商品棚の前で偶然にも。


というか、浅岡くんが私のご近所さんだったなんて全く知らなかった。
だって通っている高校までは電車を乗り継いで一時間以上かかる。


 早鐘を打つ胸を、どうにか静めながら何かリアクションをとらないと、と焦った私は次にこんなことを口走っていた。


「浅岡くんも、買い物?」


 浅岡くんの持っていた買い物かごに視線を移すと、浅岡くんも同様に視線を落とした。
浅岡君の持っているコンビニの買い物かごには、コンビニスイーツが8個くらい入っていた。プリンやシュークリーム、カップパフェ、エクレア、などなど。
 浅岡くんは、「ああ」と呟くと、眼鏡のブリッジを押し上げた。


「まあ、そんなとこ」


 浅岡くんは、困ったように笑った。その笑顔は、学校では見たことのないものだった。眉尻を下げて、仕方なくと言ったように口角が上がって、ともすれば泣いてしまいそうなもので……。


「実祈ちゃんも?」