君と旅の途中
一章
1,俺と俺の幼馴染
「……暑」
八月下旬。
俺、真澄都生はお弁当を片手に空を見上げた。
……これだけ天気がいいのだから昼食を外でとろうと思ったのが、そもそもの間違いだったのかもしれない。
外に出たはいいけど、もうすでに木陰や校舎裏などの日陰は他の生徒に取られていて。
結局残っていたのは日向ばかりで。
俺は今、炎天下の中ベンチに座っている。
運の悪いことに今日は雲一つない晴天で、見上げると空の青さが目に染みた。
……ほんと、あっつ。
時折吹き抜ける風さえも生ぬるい。
いつになったら秋になるのやら、もうすぐ九月だというのにとてつもない暑さだ。
何もしなくても首筋や額にじわじわと汗がにじんで、気持ち悪い。
俺は首元のネクタイを少し緩め、小さく息をついた。
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