「……とーき。だーれだっ?」









「わっ……⁉」















ふいに視界が何かで遮られて、俺は小さく悲鳴を上げた。















急な事でついドキドキと心臓が波打つが、冷静を装う。













しばらくすると心臓の高鳴りがおさまってきて、顔に当てられたものが手であることが分かった。













はぁっと一つ深呼吸をすると、ようやく脳が状況を飲み込み始めた。












それに……こんなことのするのは『あいつ』しかいないから。















ぺりっと顔に当てられた手を剥がし振り返ると、やっぱりそこにあったのは見慣れた顔で。
















「穂希、急になんだよ。びっくりしただろ」












じろりとその顔を睨むと、そいつはあははっと明るい声に上げた。












「ごめんごめん。許して? 都生優しいでしょ~」












ペロッと舌を出し、両手を合わせてそう懇願してくる彼女の名前は、美羽穂希。











俺の幼馴染だ。















……普通の女子ならぶりっ子になりえるその仕草も穂希なら似合うのは、やっぱり顔立ちが整っているからだろうか。













癖のない黒髪はいつも無造作におろしていて、眉はいつも楽し気に弧を描いている。













太陽の光を浴びてキラキラと輝く瞳は丸く大きくて、素直な様子が見て取れた。













容姿はお前はどこぞのアイドルかと突っ込みたくなるほどだけど、いつだってこんな風にふざけているから、とても残念だ。