君と旅の途中











「ほんと真澄くんと仲いいね~穂希って」













「うん。都生とは兄弟みたいなものだからね」















そういつもの笑顔で笑う穂希に、クラスメイトの一人が意味ありげな視線を俺に向ける。
















「そうはいってもさ~、ちょっと怪しくない? マジで付き合ってないの?」














「えっ?」













「……は? お前勝手に何言ってんだよ」
















俺は帰りの準備を急いで終わらせ、絶句した穂希に助け船を出す。














眉をひそめるが、俺がかばったことで他のクラスメイトまで騒ぎ出してしまった。















「それ俺らも思ってた~! だって毎日一緒に下校してるだろ?」













「真澄くんもかっこいいし、穂希ちゃんはかわいいし、お似合いじゃない⁉」













「ね、兄弟みたいなものって言っても、男女なわけだし。もしかして……隠してるだけで実は付き合ってたり⁉」













「え~、でも美羽ちゃんって高田先輩と付き合ってるだろ? 二股⁉」














「はあ? 勝手に話を膨らませるなよ」














「っ……」














< 23 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop