きらめく星と沈黙の月
第1章-過去の束縛-

ただの幼なじみ

藤咲北高校 通称藤北(ふじきた)の2年生、月川桜子(つきかわさくらこ)。


「おい桜子ー!いつまで寝てんだよー!置いてくぞ!」


いつも勝手に玄関のドアを開け、玄関口で私を寝坊扱いするのは、幼なじみの星矢碧(ほしやあおい)。


いくら外を駆け回って遊んでも日焼けしない色白な肌に、茶色みが強い頭髪が爽やかな印象な碧。


容姿端麗で保育園の頃から女子にモテモテな碧の側にいる私は、いつまで経っても芋っぽい。


碧が隣にいるからなのか、単に私が平凡なだけなのか。


「メイクしてんのー!ちょっと待って!」


「また下手くそなメイクのお披露目かよ。ったく、早くしろよー」


2階の部屋から玄関に叫び返すと、辛口な言葉が飛んできた。
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