きらめく星と沈黙の月
「碧!何やってんだよ!練習始まんぞ!」


練習着姿で教室に入ってきたのは、数年ぶりに会う栗ちゃんだった。


「栗ちゃん!!」


「おぉ桜子ちゃん!久々の再会なのに申し訳ないんだけど、練習始まるからまた今度話そ!」


栗ちゃんは早口でそう言って、碧の首根っこを引っ付かんで引きずっていく。


「練習ったって、まだ帰りのHR終わってないんだって!」


「テスト期間は帰りのHRないだろ!」


「そうだったヤベェ!」


栗ちゃんといると、私よりは大人っぽい碧が子供っぽくなる。


気心知れた戦友だからなのかな。


そんなポジションにいる栗ちゃんが羨ましくもあった。


「あーあ、行っちゃったね、桜の旦那」
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