きらめく星と沈黙の月
私が何よりも好きなのは、投球練習。


何球も何球も、納得するまで投げ続けるストイックな碧が垣間見える。


休憩が入れば、マネがすかさずタオルとドリンクを渡す。


にっこり笑いながら受け取る碧が見えた。


碧は、マネに対しても雑な扱いはしない。


中1の入部したての頃、3年生の部員にいきなりコキ使われてヘトヘトになったことがあった。


水を持ってこい、やっぱりスポーツドリンクだ、不味いから新しいのを作れ、タオルも持ってこい。


とにかく毎日毎日、嫌がらせかと思うくらい注文をつけられていた。


そしたら、それに気づいた碧が、先輩に臆することなく堂々と言い放ったんだ。


“こいつはマネである前に、俺の大切な幼なじみなんで、コキ使わないでもらえますか?”


と。


そして、続けざまにこう言った。
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