きらめく星と沈黙の月
「桜子は平凡じゃねぇよ。それに、俺だって完璧じゃないしさ?」


「ふーん?じゃあ自分の欠点言ってみなさいよ」


「そんなの山のようにあるって。………俺の欠点だろ?…俺の欠点……えぇっと…そうだなぁ……」


「うっわー、ムカつく!わざとらしく考え込むなっ」


でも、ホントは嬉しかった。


〝桜子は平凡じゃねぇよ〟


碧がそう言ってくれたことが嬉しかった。


「…ホントに俺は完璧じゃないから。完璧じゃない自分がいることが怖いから…そう装ってるだけ」


ポツリと投げ出された真面目なトーン。


「完璧なんじゃなくて、完璧主義なだけ。治したいとは思ってんだけどなぁ」


完璧主義なだけ…か。


私には分からない。


完璧主義ってしんどいのかな。


碧には碧にしか分からない悩みがあるんだ。
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