きらめく星と沈黙の月
絶対エース…か。


エースなのは昔から変わってないんだ。


野球の情報は意図的に耳に入れないようにしていた。


だから、今の碧のことは何も知らない。


「きっと、桜が観に来るかもしれないって張り切ってるよ。だから、一歩踏み出す勇気出そう?ねっ?」


桜が私の手を握って歩き出す。


“一歩踏み出す勇気”…か…。


そうだよね…。


一歩踏み出せば、景色は変わるかもしれない。


しがらみが消え去るかもしれない。




明るい空の下、微かな希望を胸に私たちは球場へと向かったのだった。
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