きらめく星と沈黙の月



「碧、おはよ!」


碧は珍しく誰とも話さずに自席に座っていた。


その視線は雨模様の外に向いている。


どこか寂しげで儚さを漂わせながら。


「碧?」


目の前で手のひらをヒラヒラ振る。


「あぁ、何?」


いつもより覇気のない口調だ。


「いや…ただおはようって言いたかっただけなんだけどさ…」


「なんだそれ」


碧は、ははっと笑顔を見せてくれたけど、明らかに空元気だった。


それくらいのこと、付き合いの長い私には容易に分かる。


何かあったんだろうけど、朝私を迎えに来なかったということは、私には話したくないということ。


あんまり踏み込んじゃいけない。


「そういやさ、栗ちゃんって藤北の野球部だったんだね。全然知らなかった」
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