きらめく星と沈黙の月
陽菜には話しておいてもいいかもしれない。


ううん。


本来は部員全員に共有されるべき話なんだ。


それなのに私……。


「はぁ…。ったく、もうすぐ夢の舞台だってのに─」


陽菜のため息は、勢いよくドアが開く音で掻き消された。


「月川いるか?」


入ってきたのは、学年主任。
 

授業で関わりがないのに呼ばれたことで、胸中に嫌な予感が広がっていく。


学年主任に連れてこられたのは、職員室内にある小部屋。


暖房もなく寒い部屋だ。


「1年生の鈴宮が学校に来なくなった理由に心当たりは?」


着席するなり、厳しい口調で問われる。


「…えっと……」


今、どういう状況なんだろう。


なんで私が呼ばれて責められてるんだろう。
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