好きになってもいいですか? ~訳あり王子様は彼女の心を射止めたい~
非常事態…空
大阪出張の代休として今日一日休みをもらっていた俺の携帯にかかってきた電話は、おじさんからのものだった。
もしかして母さんに何かあったのかと、俺は慌てて電話に出た。
おじさんは普段からまめに連絡をしてくるような人ではないし、きっと何かあると嫌な予感しかしなかった。
「お前、今日は休みだそうだな」
「ええ」
「悪いがちょっと手伝ってくれないか?」
「手伝うって・・・」
言われている意味もさっぱり分からなかったが、おじさんの声が妙に暗くて不安になった。
「今日はアメリカからの視察があるんだ」
「ああ、例のプロジェクトの相手先ですよね」
「そうだ」
都心の再開発に合わせて複数のビルを建設し世界中の企業を誘致して新しい街を作り上げようという一大プロジェクト。
俺もHIRAISIに異動になる前は主要メンバーとして関わっていた。
今は遥が中心となって進めていて、順調だと聞いている。
今更俺の手伝いなんて必要ないように思えるが・・・
「遥の代わりに案内を頼めないか?」
「代わりって、」
そもそも田舎から出てきた友達に東京観光をさせるのとは訳が違うんだ。
相手もビジネスとしてやってきているし、遥だってきちんとプランをたててプレゼンしたいはずだ。
今回の来日ですぐに契約になるってことはないだろうが、相手の気持ちをつかむ絶好のチャンスになるのに。
「何があったんですか?」
今この状況で俺に頼むからにはよっぽどの事。
大体、遥はどうしたんだ。
「実は、萌夏ちゃんがいなくなった。遥たちも必死に探しているようだが、昨日の朝からの消息がつかめない」
「嘘、でしょ」
俺は持っていた電話を落としそうになった。
「本当だ」
おじさんの声が暗い理由がやっとわかった。
確かに、一大事だ。
「非常事態だ。とにかく来てくれ」
それだけ言っておじさんは電話を切ってしまった。
もしかして母さんに何かあったのかと、俺は慌てて電話に出た。
おじさんは普段からまめに連絡をしてくるような人ではないし、きっと何かあると嫌な予感しかしなかった。
「お前、今日は休みだそうだな」
「ええ」
「悪いがちょっと手伝ってくれないか?」
「手伝うって・・・」
言われている意味もさっぱり分からなかったが、おじさんの声が妙に暗くて不安になった。
「今日はアメリカからの視察があるんだ」
「ああ、例のプロジェクトの相手先ですよね」
「そうだ」
都心の再開発に合わせて複数のビルを建設し世界中の企業を誘致して新しい街を作り上げようという一大プロジェクト。
俺もHIRAISIに異動になる前は主要メンバーとして関わっていた。
今は遥が中心となって進めていて、順調だと聞いている。
今更俺の手伝いなんて必要ないように思えるが・・・
「遥の代わりに案内を頼めないか?」
「代わりって、」
そもそも田舎から出てきた友達に東京観光をさせるのとは訳が違うんだ。
相手もビジネスとしてやってきているし、遥だってきちんとプランをたててプレゼンしたいはずだ。
今回の来日ですぐに契約になるってことはないだろうが、相手の気持ちをつかむ絶好のチャンスになるのに。
「何があったんですか?」
今この状況で俺に頼むからにはよっぽどの事。
大体、遥はどうしたんだ。
「実は、萌夏ちゃんがいなくなった。遥たちも必死に探しているようだが、昨日の朝からの消息がつかめない」
「嘘、でしょ」
俺は持っていた電話を落としそうになった。
「本当だ」
おじさんの声が暗い理由がやっとわかった。
確かに、一大事だ。
「非常事態だ。とにかく来てくれ」
それだけ言っておじさんは電話を切ってしまった。