冷徹上司の、甘い秘密。
Third


*****



「……ん」



 どこか遠くから聞こえるいつものアラーム音。
それを止めようと顔の横をペタペタと探る手。


 いつもなら手の届くところに置いているのに、今日は中々見つからなくて。


 数十秒してやっと手に当たったスマホに手を伸ばし、なんとかアラームを止める。


 眠くて開かない目。それを無理矢理こじ開けると目の前には綺麗な寝顔のドアップが。



「っ!?」



 驚いて思わずバッと起き上がる。すると自分の一糸纏わぬ姿が目に入り、慌てて布団の中にもう一度戻った。


 ……待って待って待って待って。


 一気に目が覚めるとはこのことか。眠気などどこかに吹き飛んだ。頭の中はパニックで手が震える。


 冷や汗が止まらない。


 私の慌ただしい動きのせいで目が覚めたのか、隣の影が軽く伸びをして。


 薄く開いた目。



「……はよ」


「……おはよう、……ございます」



 いつも以上に低い声に、また心臓が激しく動き始めた。私の上擦った声に課長は完全に開ききらない目が垂れる。



「あ、の……私、昨日……」



 お互い何も着ていない姿。腰の鈍痛。


 何があったのかは一目瞭然だ。

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