レオンと結ばれた翌日、彼はいつもどおりだった。

「よかったな、馬車に乗せてもらえて」

「そう、ですね」

レオンは笑っているが、どこか嘘くさい。

……きっと悩んでるんだよね、私を食べようとしたこと。

昨晩、私を抱きながらレオンは本能に流され、私を食べようとした。
といっても、無意識に口を開けたところで私が気づき、声をかけたので我に返ったのだけれど。

気持ちいいくらい、いい天気の中、馬車は進んでいく。
近くまで出掛けると言ったら、バルドゥルさんが貸してくれた。
目的地まで徒歩で一時間と聞いていたし、大変助かる。

「じゃあ、夕方にまた、お迎えにあがりますので」

「ありがとうございましたー」

馬車はまた、村へ引き返していった。
この馬さんは馬車だまりにいた馬たちと違い、大変礼儀正しい。
やっぱり、バルドゥルさんの教育の賜物なんだろうか。

「……で。
ここ、ですか?」

そこはうっそうと木が生い茂る森だった。

「いや、まだ少し歩く。
この先は馬車が入れないからな」

先を歩きだしたレオンを追う。