「本当にすまなかった」

「……いえ。
引き留めるのを、無理矢理振り払おうとした私も悪いので」

バルドゥルさんが真摯に私へ詫びてくれる。
千切れた私の左腕は、すぐに呼んでくれた医者の治癒魔法で問題なくくっついた。
ただ、出血が多かったのでしばらくは安静が必要だけど。

「いや。
つい力が入ってしまったとはいえ、本当に申し訳ない。
君を預かった身としては、レオンにあわせる顔がない」

耳までぺたんこに倒してバルドゥルさんは私に詫び続けるが、悪いのは彼じゃない。
彼を振りほどいてまでレオンの元へ行こうとした私だ。

「なにかあったらすぐに呼んでください。
なんでもします」

申し訳なさそうに彼は部屋を出ていったが、これ以上、彼になにを求められよう?
日当たりのいいこの部屋からは、美しい庭が見える。
きっと、この城で一番いい部屋なのだろう。
さらにリラックス効果がありそうな、いい匂いのする花が飾られていた。
そのうえ、すぐ手が届く場所には、食べやすいように切られた果物まで置いてある。

「……反対に私の方が申し訳ない、です」

起き上がっているのもつらくなって、ぽふっと身を枕に預ける。