あれから学校では小さな問題はちょいちょいあるものの、大きな問題は起こっていない。

「チハル先生、さようならー」

「はい、さようなら」

今日も人間とうさぎ、猫が仲良く下校していく。
私がした話でいまのところ、子供たちに影響は出ていない。

「マークス、顔、まだ痛いか?」

「カミルのおかげでだいぶ治った!」

ネズミのカミルが人間のマークスを気遣う。
朝、マークスの顔が腫れているの気づき、すぐに魔法で氷を出して冷やしてやったのが、カミルだ。

「マークスの父ちゃんも殴ることないのにな」

「父ちゃん、前はドレイでカワイソウだから仕方ないんだ」

マークスは笑っているが、本当に腹が立つ。
確かに?
奴隷だった経験から獣と仲良くしたくない気持ちはわかるけど。
だからといって子供にそれを押しつけるのは間違っているし、さらに殴るのは許せない。
もう毒親だよ、毒親。

「マークス。
先生がご両親に……」

「チハル先生。
父ちゃんはカワイソウで仕方ないからいいんだ」

マークスの笑顔は純粋すぎる。
本当にいい子だ、彼は。
最近は悪戯……もとい。