首輪はつけられたが、ライオンは私を引きずるどころか綱すら握らずに私の前を歩いている。
私が逃げるとか思わないんだろうか。
まあ、私も逃げたところでどこに行っていいのかわからないけど。

「ここが俺の家だ」

連れてこられたのはアライグマや黒豹の家よりも明るく、立派な家だった。

「すまないな、決まりとはいえ首輪なんかつけて」

ライオンの手が身体に触れるだけでビクッ、と肩が跳ねる。

「怖いか? ……そうだよな、食われそうになったんだもんな」

私から首輪を外したライオンの目は、悲しみで満ちていた。
なにか言わなきゃ、とは思うものの、なにを言っていいのかわからない。

「まずは身体を洗え」

壁に立てかけてあった大きなたらいを軽々と抱えてライオンが床に置く。
次に手が、私が唯一纏っている布にかかった。

「や、やめろ!」

抵抗したら、ピタリとライオンの手が止まる。

「しかし、それを脱がなきゃ身体が洗えないだろうが」

確かにそうだけれど!
恥じらい、というものはあるわけで。

「まあいい」

「へ?」