「できるだけ、チハルを食わずに済むように頑張る。
それでも俺はきっと、いつかチハルを食う。
こんな俺でもチハルは一緒にいてくれるだろうか」

私を食べる、と宣言しているのに、レオンの顔は穏やかだった。

「言ったじゃないですか、愛するレオンにだったら食べられたい、って」

その胸に額をつけ、抱きつく。
肌に触れる、もふもふの毛が気持ちいい。

「……その、ですね。
聞いたんですよ、成功例は少ないけど、それでも異種族間でも子供ができる薬がある、って。
それで、その」

「……そうだな、手に入れよう」

私の肩を抱く、レオンの手に力が入る。
きっと彼も、私の言いたいことがわかっている。
レオンが私を食べてしまったあとでも、……なにか、残るものがあれば。

「レオン、愛しています」

「俺もチハルを愛している」

きっと私はいつか、レオンに食べられる。
その日までは、……ううん。
食べられたあとも彼の中で、彼を愛し続ける。