「はーい」

いい返事で男の子は椅子を飛び降り、本を棚にしまってキッチンで手を洗った。

「いただきまーす」

ライオンと人間が向かいあう、相変わらず不思議な食卓だ。

「またサンドイッチ。
僕、このあいだバルドゥルおじさんのところで食べた、シチューが食べたーい!」

文句を言いつつ、男の子は野菜とパンだけのサンドイッチを食べている。
バルドゥルさんは種族長選挙に圧倒的多数の投票で当選し、いまは人間の差別撤廃のために忙しく働いていた。
おかげで、闇市で人間の肉は流通しなくなった。
次は、奴隷狩りの禁止だと頑張っている。

「うるさいな。
そんなに文句を言うなら明日、アレクのところへ連れていかないぞ」

「えー、おとーさん、ずるいー。
だいたい、サンドイッチしか作れない、おとーさんが悪いんじゃないか」

「うっ」

気まずそうにサンドイッチを飲み込み、レオンははぁーっとため息を吐きだした。

「……明日。
帰りに食いに連れていってやる。
それでいいだろ」

「やったー」

大喜びで男の子が、残りのサンドイッチを食べてしまう。