「……はぁーっ」

レオンの気持ちに気づいてからというもの、口を開けばため息ばかりが落ちていく。

「……でね。
アーサーったら……って、チハル、聞いてる!?」

「えっ、ピーターがどうしたんですか?」

話を振られ慌てて返事をする。
今日はお菓子の差し入れついでに恋バナをする、アプリコットさんに付き合っていた。

「ピーターじゃなくてアーサー!」

しかしながら上の空で聞いていたので名を間違え、アプリコットさんに怒られた。

「あ、すみません。
……はぁーっ」

「なに?
さっきからはぁーっ、はぁーっ、ってため息ばかりついて」

アプリコットさんの指が焼き菓子を摘まみ、ため息を止めるように私の口へ突っ込んだ。

「にゃ、にゃにするんですか……」

「もうそのため息、聞き飽きた」

新たなお菓子を摘まみ、今度こそ彼女が食べる。

「なんかレオンは気持ち悪いくらい上機嫌だし、なのにチハルはため息ついてばっかりだし」

はぁーっと、とうとうアプリコットさんの口からもため息が漏れた。

「あー、えっと。
ですね」

こんなことを彼女に相談していいのだろうか。