悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています！

そして、いよいよ十三歳の誕生日。

ナタリアのために、城では盛大なパーティーが開かれ、さまざまな人々から祝福を受ける。

終わってへとへとになった頃に、リシュタルトから呼び出された。

指定された一階ホールに行くと、リシュタルトはすでにナタリアを待ち構えていて、ついてくるよう指示される。
　
たどり着いたのは、一階奥にある扉の前だった。

「ナタリア、俺からの誕生日プレゼントだ」

リシュタルトが扉を開け放つと、ナタリアは思わず「わぁ……！」と歓声を上げた。

扉の向こうは、一面に緑がはびこっていた。

鉢植えに植えられた木々が青々とした枝葉を広げ、花壇一面には色とりどりの花々が咲き誇っている。

岩場からは水が溢れ、涼やかな水音を響かせていた。

部屋の半分は全面ガラス張りの温室になっていて、上空に星空が広がっている。

あまりの素晴らしさに言葉を失っていると、奥からユキとロイが走ってきた。

ナタリアを見るなり尻尾を振ってじゃれつき、我先にと頬を舐める二匹。

「ユキのために作った部屋だ。大きくなってきたし、今まで通りお前の部屋だけで暮らすのは窮屈だろう。仲がいいから、ここでロイもときどき遊ばせることにした。お前もくつろげるようにしてあるから、いつでも来るといい」