溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
夜ごと注がれる、愛でないもの

 翌朝。ベッドの上で重たいまぶたを開くと、私を見つめる維心さんと目が合った。

 枕に肘を突いて頭を支えている彼は、私の頬をそっと撫でて「おはよう」と爽やかに笑う。

 しかし、初めてベッドを共にした照れくささで、私は彼の目がきちんと見られない。

「お、おはよう、ございます。あれ? 私……」

 自分がいつ眠りについたのか、記憶がない。でも、服はちゃんと着ている。自分で着たんだっけ? 

 頭の中に疑問符を浮かべつつ、上体を起こす。

「昨夜は無理をさせてすまなかった。きみは途中で気絶したように眠ってしまって、服は俺が着せたんだ」

 維心さんが苦笑しながら状況を説明し、私は思わず慌てる。

「えっ? す、すみません!」

 気絶って……確かに、昨夜の維心さんの体力(精力?)はすさまじかったけれど、意識まで飛ばされてしまうとは。

「足腰がつらいだろうから、今日の行き帰りも俺の車に乗るといい」
「いえ、私は電車でも」
「遠慮するな。俺がきみと一緒にいたいという意味もある」

 さりげなく甘い言葉を吐く彼に、ドキッと胸が鳴る。

 今は子作りの時間じゃないから、雰囲気を盛り上げる必要はないのに……。

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