その柚瑠木(ゆるぎ)さんの言葉で彼も私が思ったのと同じように、相手が自分のために一生懸命考えて選んでくれたことを何より喜んでくれているのだと分かりました。
 私のこの気持ちはもう一方的なものではなく、こうして愛しい人と同じ感情を共有しあえるのようになったのです。

「はい、出来ました。もちろんこれにはGPSなんて付いてませんよ?」

「……付けてもいいんですよ? 僕の全部を月菜(つきな)さんに知ってもらっても構いませんし」

 少しだけの意地悪のつもりが、柚瑠木さんに余裕の微笑みで返されて私の方が顔を赤くして俯かなければならなくなってしまって。
 私だって柚瑠木さんの職場での姿を知りたいという気持ちもあったりしますが、それはGPSでは叶わない事だって分かってます。それに……

「これ以上私を甘やかして、欲張りにさせないでください」

 柚瑠木さんは私の我儘やお願いを次々に叶えてくれるのに、一度満足してもあれもこれもと心の奥から欲が出てくるみたいで。
 想い合えただけで満足出来ない、そんな自分にいつか柚瑠木さんは呆れてしまうんじゃないかって。

「……嫌ですよ、僕は自分がしたいだけ月菜さんを思いきり甘やかします。甘えるのが下手な貴女にはそれくらいがちょうどいい」