「ここで少し休んでいきましょうか?」

 車をパーキングへと停めて、私達は繁華街を見て回っていました。その脇道に入ったところ、奥にあるモダンなカフェを見つけた柚瑠木(ゆるぎ)さんがそう言いました。
 普段外で食事をする事も少ないのか、千夏(ちなつ)さん嬉しそうにその頬を染めています。

「いらっしゃいませー、今ちょっと混んでるからカウンターしか空いてないんですけど……」

「それで構いません、お願いします」

 扉を開けるとすぐに声をかけてきた店員に柚瑠木さんはそう答えます。私達は笑顔の素敵なスタッフさんに案内され、ちょうど四席空いていたカウンター席に並んで座りました。

「私ね、ずっとお洒落なランチに憧れてたの。月菜(つきな)さんは柚瑠木兄さんとよくこういうお店に行くの?」

「ええ、最近はよく連れて行ってくれます。いつもしてもらってばかりで申し訳ないくらい」
 
 私達は三人とも本日のランチメニューを頼んで、のんびり話を始めます。するとまたドアの開く音がして、店員の挨拶が聞こえてました。どうやらまたカウンターの席を案内されているようです。

「……隣、いいですか?」

「あ、はい。どうぞ?」

 明るめの色のスーツを着こなしたスマートな男性が、千夏さんに声をかけ彼女の隣に座りました。
 千夏さんはこういう事にも慣れていないようで、少しソワソワとしています。代わりましょうか、と声をかけたけど笑って大丈夫だと答える千夏さん。