この夜、返品可能です。





「そーいうことだから。おれの彼女に絡むのやめてね」

「な……っ」

「それじゃ、永遠にさよーなら」





彼女。おれの彼女。

これは、2割の本当の方。時々不意打ちでくるそれに、わたしはというと​────……





「宵くん好k」

「好きね、わかったわかった。はい帰るよAマイナス」


「さっきボインって言ってたじゃん!?」

「虚言にも程があるな本当に」

「宵くんがね!?」


「つーか仁乃、ああいうのはサラッと流さないと」

「サラッとって……え?宵くんどこから見てたの?」


「ちんちくりんって呼び止められてたとこから」

「結構最初の方じゃん!?」


「仁乃がどう言うか気になったから。でもちゃんと彼女って言ってた、えらーい」

「なんですかその棒読みは……」




「Aマイナスでも、仁乃がいてくれんならおれは満足」

「おっ……?」

「はい撤収 帰りまーす」





今日も宵くんは、いろんな意味で1枚上手。



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