導かれて、放れられない
親子
「えーー!同棲!?」
「ちょっ…智実、声大きい!」
「ごめん…だって、会うだけならまだしも、付き合って同棲って……」
「絶対、誰にも言わないでね!」
「うん。
てか、言えないよ……」
次の日、職場に行き智実に伝えた桔梗。

「そんなピアスまでして!」
「あー天聖さんがつけてって!」
「ふーん(笑)でも、高そう…そのピアス」
「そうなの。なんか少し重くて……」
「それ程の愛情ってことか!」
「そうかなぁ」

そして、仕事中。
「いらっしゃいませ」
「あ、ちょうどよかった。あなたが、水田 桔梗さんですね?」
「え?」
「私は虎尾組、組長の部下の芳住と申します」
「え?てことは……」
「若のお父上の部下です」
「あ、初めまして」
ペコッと頭を下げる、桔梗。

「本日仕事が終わり次第、組長がお会いしたいと申しております。
ご同行願いますか?」
「はい、わかりました」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そして仕事終わりに外に出ると、高級車が止まっていた。
運転席から、芳住が出てくる。
「どうぞ」
ドアを開け、車内に促された。

高級料亭に連れていかれ、店内に案内される。
離れの部屋に通され襖を開けると、奧に虎尾組組長・西尾 聖二郎がいた。

男性にしては、小柄な聖二郎。
でもオーラが凄く、圧が物凄い。
本当に天聖の父親かと思う程の、鋭い目つきと真っ黒いオーラだった。

「水田様、そちらへお座り下さい」
芳住に促され、聖二郎の向かいに正座した。
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