導かれて、放れられない
「え?」
「放さないよ。今日は怖がらせたけど、もう二度とこんなことさせないから俺から放れないで?」

「え?いや、私は━━━━━」
「もし……それでも放れるって言うなら、監禁しちゃうよ!
本気だよ!
もう二度と放れたくないんだから……!」
今度は天聖が動揺して震えていた。

「天聖さん!!
違います!落ち着いてください!!」
桔梗は天聖の頬を両手で包み、目を覗き込んで言った。
「え……?桔梗…?」
「私、放れるつもりありません!」
「え?」
「私が言いたかったのは、天聖さんの足枷だと思いますが、それでも傍にいたいって言いたかったんです」
「そう…なんだ…よかった……!
もう、びっくりさせないでよ…!?」
再度抱き締められた。
息苦しくなる位に…………

「天聖さん、私は傍にいていいんですか?
きっと何もできないと思います。
それこそ、足枷ですよ?
邪魔にしかならないですよ?」
「傍にいてよ!放れないでよ!」
「はい」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ンンン……んぁ…あ……や…」
「フフ…可愛い……桔梗、ほんと可愛い…」

帰りついてすぐベットに直行し、ベットの上に座り天聖の足の間に挟まれている桔梗。
二人とも裸で、天聖は桔梗にキスをたくさん落としていく。
先程の恐ろしい魔王とは思えない程、優しく慈しむように触れる天聖。

本当の天聖は、どっちなんだろう。

「桔梗、このまま繋がろ?おいで?」
「はい。
━━━━━!!」
跨がって繋がり、天聖を少し見下ろす。
綺麗な目で見つめる天聖がいた。
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