導かれて、放れられない
「あ、でも…一つだけ言っておかないと……」
「え?」
「俺、支配欲求と独占欲強いから覚えておいて?
この仕事してるからかなぁ。
手に入れたモノは、絶対に放さない!
それでも、傍にいてくれる?」

答えはもう……一つしかない。

「はい、天聖さんの傍にいたいです」

桔梗は天聖に抱き締められた。
「フフ…嬉しいな…!
夢みたいだ。桔梗が俺の腕の中にいる」
「でも、不思議ですね。
こうゆうのを“運命”って言うんですかね?」
「そうだな」

しばらく抱き締め合っていた二人。
「天聖さん」
「ん?」
「私、もう帰らないと……」
「は?なんで?傍にいてくれるんでしょ?
俺から放れるなんて許さないよ!」
焦ったように狼狽える、天聖。

「引っ越しの用意しないと…」
「それは部下にさせるから、ここにいて?」
「はい、でも……」
「でも?」
「まさか今日からここに住むとは思わなかったので、貴重品だけしか持ってきてません。
お泊まりセットだけでも、取りに行きたいです」
「お泊まりセット?」
「はい、お泊まりセット」
「………って、何?」
不思議そうに桔梗を見つめる、天聖。

「えーと、要するにお泊まりする為に必要な着替えとかクレンジングとか……」
「あーそうゆうこと!
………って、なんか可愛い響きだね!
お泊まりセットだって…(笑)
わかった、一緒に取りに行こう」
「はい」

「でも…それはもう少し後からね…?」
「え?」


「お願い……抱かせて…?
桔梗が欲しい━━━━━」

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