茨ちゃんは勘違い
初めての保健室
「どごろ゙で、ゆ゙り゙ぢゃん゙」

ボタボタボタ…

「…。」
「どゔ?ゆ゙り゙ぢゃん゙好み゙の゙ダン゙ズィーば居だ?」

ボタボタボタ…

再び教室。

一通り高校生活最初のメニューを熟し、黒酉が明日の予定を説明し終わったところで、皆帰り仕度をしていた。

入学式に受けたダメージが予想を遥かに上回っていたのか、茨は鼻から留処なく流れ続ける血をハンカチで抑えながら話しかけてくるのだが、内容よりも床が真っ赤に染まっている方が気になって仕方が無い。

百合絵は今日何度目になるか最早数えて等いない溜め息を大きく吐くと、至極当然なツッコミを入れた。

「茨ちゃん…やばいよそれ。放っておくと、茨ちゃんがこの世から去るか、校舎のカラーが目に痛いものになるよ」

多分、校舎だけに後者の方が有力だと思うけど…

とは、付け足さなかったが、茨は殺すつもりで殴打しても死なないぐらいタフなイメージがあったので、多分そうなのだろうと百合絵は思った。

「え゙!?マジで?家族及び世界中が悲しみに包まれてしまうって事!?」

家族は分からなくも無いが、世界中はどうだろう…

相変わらず、茨の思考回路は常軌を逸脱している。
< 24 / 224 >

この作品をシェア

pagetop