冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~

裏切り

私はいわゆるどこにでもいるOL。

日々淡々と仕事をこなしている。

合コンで知り合った悠真と1年前から付き合っており、半同棲状態。

結婚も自分の中では視野に入っていた。

順調だと思っていた。

悠真はちょっと見た目は派手だけど、私のことを気遣い、仕事が遅くなる日はご飯の支度をしてくれたりもする。

悠真の仕事はIT系としか分からず、説明しても難しいからと言われる。

時間の融通が割ときくらしく、ゆっくり出勤して行くこともあったからフレックスなのかと勝手に理解していた。 

土日出勤することもあるので大変だなぁって思っていた。

私の職場は割と大手の企業。
IT系とは分野も違い仕事のことはお互いよく分からないから土日出勤も変に思わなかった。

ある日突然督促状が届いた。
私はカードで買い物をするのも嫌なくらい現金派。
でも封筒は私の名前になっており確認すると、約1000万の返済期日が過ぎておりその督促だった。

まさか…
私は全く思い当たらない。

慌てて封書の差出人へ連絡すると私が半年前に借りていることになってるとのこと。
会社の名前もあり、高額融資になったとのこと。

どういうこと?

私は消費者センターへ相談するが不正な会社ではなく、また私の職場のことなど調べられてからの融資なので正式なものになると言われてしまった。
両親や兄弟などが名前を使って借りてしまってるのかもしれないので確認するべきだと言われた。

それでも該当者がいなければ不正な契約になるかもしれないからまた連絡するように、と。

私の両親は絶対にそんなことしない。

2人とも教師で石橋を叩いて渡るだけでなく叩き割りそうな程の慎重な2人だ。

娘の名義で勝手に借りるとは思えない。

弟はまだ20歳。
学生だからのそんな高額なお金を借りようとするなんて思えない。

他に家族はない…
どうしてこんなことになってるの?

困り果てて悠真に相談しようと思った。

そういえば忙しいのかここ1週間うちに来ていない。

このまま悠真の家で待っていようと悠真の家へ向かう。

合鍵で部屋を開けようとするが開かない。

え?!

この前までついていた彼の表札がなくなっている。

ウソ…

悠真?

慌てて電話をするが繋がらない。
電源が切れてる。

異様な不安に襲われる。
悠真から聞いていた職場に向かう。

恵比寿にある会社に向かう。

だが、会社はすでに退去していた。
周囲の人に聞くと半年前に夜逃げのように退去していったと言われた。

悠真はそんなことちっとも言ってなかった。

嫌な予感が駆け巡る。

まさか…

何度も悠真に電話するが繋がらない。

留守電に入れるが折り返しの電話もない。

LINEも既読がつかない…。

どうしよう。

誰に相談したらいいのかもわからない。

両親?

絶対無理。
悠真のことも言ってないし…今のこの状況を話せない。

< 3 / 205 >

この作品をシェア

pagetop