冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
「今日は新宿に行っていいかな?スーツ新調したいんだ。」

「了解です。」

「玲奈は欲しいものある?」

「帰りに洗顔フォーム買いたいです。」

「おーい…!」

「あとはないです。」

「女の子はみんな買い物好きだと思うんだけど…。」

「大好きですよ。ウィンドーショッピングが。」

「見るだけかぁ。」 

「見て色々悩んだり、考えたりするのが楽しいんです。」

「ふぅ〜ん…」

あっという間に新宿に着き、パーキングへ入れる。

私たちは紳士服売り場へ向かった。
響さんはオーダーメイドのスーツを2着注文した。
センスのない私にアドバイスを求めてくるから焦ってしまう。
でも私が困ってるのがわかるのか店員さんはさりげなくフォローしてくれた。
なんて教育されているんだろう。
私に恥をかかせないようフォローしてくれる。

響さんが着替えている間に店員さんに「ありがとうございました。全然分からなくて助かりました。」と小声でいうと「紳士物は難しいですよね。」と返してくれた。

さすが一流の店は違うわ。
控えめな感じが素晴らしい。

いつもこういうお店で買うと最高のおもてなしを受けられるんだろうな。

私たちがデニムで入ってきても驚いた顔一つしないし。
そんな格好できたら、冷やかしなんじゃと思われても仕方ないと思うけど。
でも響さんの滲み出る品格なのかしら。

スーツは秘書が取りに来るから、と伝え店を後にした。

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