あたしはセブンー秘密の花園ー
レイチェルさまスランプに陥る。
レイチェルさまスランプに陥る。


あたしはセブンです。

レイチェルさまは小説家なのですが、最近しみじみとこう仰られました。

「むかしはおもしろい話、笑える話が世界にはたくさんある気がしたわ。
おもしろい話がモチベーションだったの」

「そうですね。
しかし、小説家が小説を書けないのは辛いでしょうね」

レイチェルさまは立ち上がるととてとてとラジオをつけます。
ホームシアターに響き渡るクラシック音楽。荘厳な音色。

「おもしろい話ってどうして軽んじられるのかしら。
あたしはおバカのほうが、面白おかしく過ごせていたと思うわ」「ユーモアですね」

「そうね。お話も結局は賢いおバカ者のためにあるんだわ。
赤毛のアンのアンもきっとそれが分かっていたのね」

感興は過去の作品へと遡ります。プルーストめいた、過去のモチーフの集積化が作品の様式のひとつなのです。
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