旦那様は征服者~琉聖編~
もう…逃れられない
「じゃあ…行ってくるね!
小梢、キスしよ?」
「うん…ンン……
行ってらっしゃい…」
ガチャンとドアが閉まる。

「育実さん、今日は何をしましょうか?
掃除?洗濯しましょうか?
あ、買い物……はダメですよね……?」
「そうですね。じゃあ…お掃除をお願いしていいですか?
私はお買い物に行ってきます」
「はい!わかりました!」

小梢は会社を退職した今、育実の家事手伝いをおこなっている。
ほんとは専業主婦として、家のことを全てするつもりだったが、呆気なく琉聖に却下された。
「えーー!だって、小梢が家事全部したら俺の相手してくれなくなるじゃん!
小梢は俺に愛されて、愛する為にいるんだよ!
俺がいる時は、なにもしないで俺に抱かれてなきゃダメ!!
だからダメ!!あくまでも家事は、育実がやるの!
小梢は俺がいない時だけ、手伝うのみ!!」
と、凄い剣幕で言いくるめられたのだ。

ある程度、掃除が終わった小梢。
「今日はお天気いいなぁ
…………ちょっと位ならいいよね…!」
小梢は、マンションの周りを散歩をしようと少しだけ外に出たのだ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
秘書課に電話が入る。
「はい、琉聖様どうされ━━━━━」
『秋山!!車出して!』
「は、はい!」
『早く!!』

マンションのエントランスで下りた琉聖。
「小梢!!!」
「へ?琉聖…!?」
「何やってんの…!?」
「お散歩だよ」
「外、出ちゃダメだって言ったよね!?」
「え……琉、聖…なん、か…怖い…」

ゆっくり向かってくる、琉聖。
恐ろしい雰囲気だ。
こんな琉聖を、小梢は知らない。
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