「恋の主役は美少女のもの」

人々は何故かそう誤解している。



遠い日を思い出す。

10代の頃の私は、いわゆる美少女と呼ばれていた。

他の学校から私を見に来る人もいた。

大学生になり、都心を歩けば、数メートル歩く度に声をかける人だらけ。

だけど、誰からも愛されない孤独は、いつも胸の奥にあった。


大体、映画だってそうじゃない。

学園の美少女はいつも、悪役か当て馬役にしかならない。

ダサい子が垢抜けて、素敵な恋を掴むのがラブコメの王道。

学園の美少女の悲哀を描いた作品なんて、観たことないわ。


別に、今さら恋をしたい訳じゃない。

恋なんていつか終わるものだし、恋がすべてを満たしてくれるわけでもない。


だけど…普通の子たちとか…全く人目を惹くことがなかった子たちのリアルは違う。

殆どの人は、大人になれば、最愛の人から同じように愛されて、地味でも穏やかな幸せを生きている。