運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~

バージンロードを美しい花嫁とその父親が入場してくる。


参列の人々の拍手と歓声…


健斗は優しい微笑みで花嫁を見つめていた…



…健斗…おめでとう…そして…


…さようなら…


隣に座る龍崎さんは、私の手をそっと握ってくれた。
私は応えるように、指に力を入れて握り返す。


(…圭吾…あなたを愛しています…)


結婚式の二次会には、会社関係や友人がたくさんお祝いに来ていた。
そこには、取引先の知り合いとして早乙女さんも来ていた。


「鈴木さん、龍崎、久しぶり…」
「早乙女さん、来てたんですね…」
「恵美ちゃん、今日は一段と綺麗だね…」
「早乙女さんも素敵ですよ…」

龍崎さんは、私を早乙女さんから遠ざけた。

「早乙女、恵美を名前で呼ぶな!」

「恵美ちゃんの方が親しみやすくていいよね…」

「お前が親しむ必要ないだろ!」


早乙女さんはクスッと笑った。

「やだやだ…妬いてる男は最低だよ…」


私も思わずブッと吹き出して笑ってしまった。

「お二人とも、とても素敵ですよ…周りの女性がみんな見てますよ!」




…一度は残酷な運命と思ったけれど…


…こんなに素敵な人達と出会えたこと…


…私は幸せです…


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