運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
気になる過去

久しぶりに朝からゆっくりした休日。

私は気持ちの良いベランダのテラスで、お昼寝をしてしまったようだ。
私の上にはブランケットを掛けてくれている。

(…きっと圭吾が掛けてくれたんだ…優しい…)


暫くすると、キッチンから美味しそうな香りがして来た。
香りにつられて、キッチンを覗き込んでみると、圭吾が食事の用意をしてくれていた。
作っていたのは、美味しそうなトロトロ卵のオムライスのようだ。
ちょうど最後の盛り付けと、デミグラスソースを上から掛けようとしている。

「圭吾!すごい!美味しそう!!」

「…うん。俺が学生の時にバイト先で教えてもらった自信作なんだ!」

「へぇ…圭吾の学生時代もカッコ良いだろうね。女子から人気あっただろうなぁ…」

「また妬いているのか…?」

「ち…違います!」


学生時代の圭吾って、どんな感じだったんだろうと考えてしまう。

(確か…早乙女さんと一緒だったんだよね…)
(その頃の彼女とか…きっと居たよね…)

そして、以前に圭吾が話してくれたことを思い出した。

(…彼女というよりも、結婚してたんだよね…)

昔のことを気にしても仕方がないが、考え始めるとすごくモヤモヤとした気持ちになる。

< 86 / 100 >

この作品をシェア

pagetop