【完】夢見るマリアージュ

カーテンの隙間からは、うっすらと朝日の昇り始め光が降り注いでる。
北斗さんを起こさないようにゆっくりとベッドから起き上がると、腰のあたりに鈍い痛みが走る。

あれよこれよとマンションに着いてきて、初めてのキスから一夜を共にしてしまう事になるとは…。
私が男性と…しかも北斗さんのような素敵な人とこんな関係になってしまうとは…。 初めて付き合った人と初めて迎えた初体験。

初めてずくしで混乱してしまったけれど、彼は優しくリードしてくれるばかりだ。 ちなみにうさぎのリリーは警戒心が強いらしく、私が家にお邪魔をしてさっき起きるまで一度も姿を見せなかった。

「痛ッ……」

立ち上がると、腰も痛かったが目も痛い。
その声に北斗さんが起きたようで「うーん」と寝ぼけた声を出す。

出来るだけ物音を立てずにするつもりが大失敗。 ゆっくりと瞼を開けた北斗さんは、寝顔まで端正な顔つきをしていてかっこいい。

だから未だに起こっている出来事の整理は中々着かない。  息を止めジッと彼を見下ろすと、ベッドサイドから大きな手をこちらへと伸ばしてきた。

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