【完】夢見るマリアージュ

「え~香ちゃんに貰えるならどんな物でも嬉しいし!
あ!でも大きなクリスマスケーキは作って欲しいかも。 俺全部食べるし」

「それは勿論!それとは別に私も北斗さんに何かをあげたいです…」

「分かった!じゃあ考えておく。プレゼント交換しようね。
さって、じゃあこれからどこに行こうか?香ちゃん、行きたいところある?」

全部夢みたいだけど、夢じゃない。
ぎゅっと繋がれた手の温もりも本物だし、私へ笑いかける北斗さんの笑顔には嘘の一つも見えない。

信じられない程幸せだった。 これ以上、何かをもらえば罰が当たる気がするほど。

周りの目は少しだけ気になるけれど、そんな物も気にならない位もっと自分に自信が持てたらいいのに。

「もう少し、こうやって街を歩いてもいいですか?」

「街を?」

「はい。クリスマスの街並みを恋人になった人と歩くのが夢だったから…」

「お安い御用だよ。 駅前に行くともっと大きいツリーがあるみたいだし、イルミネーションももうあるだろうから、行って見よう!」

「はい!」

こんな私に北斗さんが似合う訳ないよ。 頭では分かっているのに
優しい笑顔や温もりを離したくない。
今は北斗さんの優しさに甘えていたい。

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