別れ際に渡瀬が言った。

「その服、色は僕の好みじゃないけど、襟のリボンがひらひらしてるのはかわいいよ。今度俺に選ばせてね。絶対似合う服を買ってあげる」

今、千秋は、その襟のリボンを揺らして夜の風に吹かれている。今飛び立った渡瀬の乗った飛行機の灯りがどんどん小さくなって見えなくなっていく。それでも千秋は寂しくなかった。もう渡瀬との未来が見えてるから。

この夜空の向こうに、千秋が金魚になって泳ぐ青空が広がる筈だ。その青空で渡瀬と舞い踊る時を、千秋は待ち望んでいた……。



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